アマチュアトランペッターのつぶやきfromアメリカ

アメリカ在住時に音楽活動経験をした日本人アマチュアトランペッターが、日米の音楽活動を通して見聞きしたことをいろいろ綴ってみます。

私のお気に入りトランペットメンバーEさん

たびたびこのブログでネタにさせてもらっている、70歳を超える巨漢のおじいちゃんトランペッターEさん。本当にいいキャラである。

ある日、ウエストサイドストーリーを初見で練習した時、曲中のsomewhereという有名な歌の部分がトランペットソロであることにみんな気付いた。倍管で吹いていたので、そのEさんと、もうひとりのおじいちゃんトランペッター、Bさんが同時に吹こうとする。パートトップのWさんがすかさず「Bさん」とご指名。その瞬間にEさん、顔を真っ赤にして、怒り出した。

「俺が吹こうと思っていたのに!!!」

指揮者はそれに触れることなく、さらっと練習を再開。Bさんも何もなかったかのように淡々とソロを吹いている。そっか、みんなEさんのキャラを熟知していて、しかもいつものことなのね。対処方法を知ってるんだ。

でも怒りの収まらないEさん、練習の合間にちょいちょい私に愚痴をこぼしてくる。ペーペーの私は聞き役に徹する。あまりにEさんが長いこと私に愚痴っているので、指揮者は私がEさんの怒りのはけ口になっているのではと心配し、後で「何言われた?」と声をかけてくれる。「いやいや、話聞いてただけ。大丈夫。」と返しておく。いや、しかし、70歳になって大人げないと思う人もいるかもしれないが、それだけソロに執着する少年の心がかわいい。

そんなことも忘れかけた3週間後の練習の時、EさんがBさんにふと話しかけるのを聞いた。

「いいこと思いついたんだ。somewhereはそもそもデュエットだろ?だから、俺、お前のソロのところ、一緒にハモるわ。いいかな?」

私は思わず吹きだしそうになる。それに対するBさんの返しがまた面白い。「you don't need my permission. (別に俺が許可する話でもないしいいんじゃない?)」Eさん、喜んでパートトップにもその話を一生懸命訴える。

練習が始まった。

指揮者「Eさん、提案があるそうだね。何?」
Eさん「原曲に従って、トランペットソロをデュエットにしたらいいと思います!」
指揮者「(しばらく沈黙の後}、一度やってみましょう。で、どうするかは私が決めます。」

演奏してみる。

指揮者「ソロで行きましょう。」
Eさん「、、、オーケー、、、!」
(ケに強めのアクセント。はいはい、仕方がないね、という感じの言い方。もちろん両手を上向きに、アメリカ人お得意のお手上げポーズも。)

このやりとり、単にEさんが面白いだけでなく、実にアメリカ人らしいと思う。

・ソロ大好き
・譜面にないものを勝手に足す自由な発想
・いったんはやらせてみる指揮者
’しかし決断もずばっとやる指揮者
・そして指揮者が決めたらあれだけゴネていたのにしぶしぶながらも納得して愚痴を一切言わなくなったEさん。

そしてオチであるが、家に帰ってウェストサイドストーリーの映画を見直してみる。確かにマリアとトニーの二人で歌っているけど、ハモってないじゃん!!!
  1. 2013/03/18(月) 22:30:43|
  2. 私の所属バンド
  3. | Trackbacks:0
  4. | Comments:0
<<初めての本番に向けて | HOME | 音楽トリビア、私も挑戦してみた。>>

Comments

Post a comment


Only the blog author may view the comment.

Trackbacks

Trackbacks URL
http://rystrp.blog.fc2.com/tb.php/18-5e774cad
Use trackback on this entry.

プロフィール

RYStrp

Author:RYStrp
アメリカ在住経験のある、日本在住の会社員。アマチュアトランペッター。トランペット歴は小学校6年生にはじめて以降、吹奏楽、オーケストラ、金管アンサンブルを経験。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

アメリカネタ (20)
私の所属バンド (13)
トランペットネタ (8)
音楽トリビア (7)
聞きに行ったコンサート (1)
未分類 (0)
楽曲 (0)
雑感 (1)

カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR